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法人EV充電器導入ガイド|種類・費用・充電制御まで解説

社用車EVシフトのノウハウ
法人EV充電器導入ガイド|種類・費用・充電制御まで解説

法人がEVを導入する際には、外部の充電スタンドに行って充電をするよりは自施設内に充電器を設置する方が効率的です。しかし、利用シーンや運用台数、コストパフォーマンスなどによって最適なEV充電設備は異なるため、「どの充電器を選べば良いかわからない」という方も多いのではないでしょうか?
本記事では、EV充電器導入時に押さえておきたい充電器の種類や設置費用、導入で失敗しないためのポイントなどを解説します。

本記事でわかること
  • 法人はどのEV充電器を選ぶべきか
  • EV充電器の導入費用と設置工事はどのくらいかかるのか
  • 複数台運用で重要な充電制御とOCPP対応充電器のメリット

目次

EV充電器の種類

EV充電器には大きく分けて「普通充電器」と「急速充電器」の2種類があります。

普通充電器

普通充電器は、定期的な利用を想定した充電器です。出力は3〜6kWほどであり、導入コストが比較的安価で、遠隔で充電制御が可能な種類もあります。充電に時間はかかりますが、車両を使用していない時間帯に充電すれば、不便を感じることは少ないでしょう。
社用車・公用車としてEVを導入する場合は、普通充電器を導入することが一般的です。

急速充電器

急速充電器は、主に長距離移動中の休憩時(サービスエリア等)や、カーディーラーで利用される充電器です。出力は20~150kWほどで、短時間かつ高い出力で充電が可能です。
デメリットとしては、自社導入の場合、導入・運用コストが高額になることや、外部の充電スタンドで充電する場合、利用料金が高いことに加え、移動時間や待機時間の人的コストが発生することなどが挙げられます。

それぞれの充電器の特徴や活用シーンなどの詳細はこちらの記事で解説しています。

以下の記事ではEV充電器の規格や国ごとの違いを解説しています。

EVの充電時間

EVの充電時間は、6kWの普通充電器を使用する場合、バッテリー容量にもよりますがゼロの状態から満充電までに数時間~10時間程度かかります。

EVの充電時間は「充電時間(h)=充電量(kWh)÷充電器の出力(kW)」の計算式で求められるため、充電量が多い場合や、充電器の出力が小さい場合にはより長い時間がかかります。

急速充電器の場合、一般的には30分間の充電で50%から80%程度の充電が可能とされていますが、実際にはEVのバッテリー容量と急速充電器の出力によって変動します。充電量がほぼゼロに近い状態から充電する場合で急速充電器の出力がさほど大きくない場合、30分かけても80%に満たない場合もあります。また、外部の充電スタンドを利用する場合、一度あたりの充電時間には上限が設けられており、マナーとして1回あたり30分を目安として利用するのが一般的です。更には、急速充電器がいくら高出力でも車両側が高出力を受け入れられず、結果的に低速・中速になってしまう可能性があることにも注意が必要です。

普通充電器・急速充電器の充電時間の目安や、充電を最適化する方法については以下の記事で詳しく解説しています。

法人のEV充電器導入で重要な充電制御

単にEV充電器を設置するだけでは、設備増強コストの増大、契約電力の上昇などの問題が発生する可能性があります。こうした課題を解決する鍵となるのが「充電制御(スマート充電)」です。

充電制御(スマート充電)とは

充電制御(スマート充電)とは、複数のEV充電器の1つ1つの出力や充電開始のタイミングを遠隔で制御し、コストの上昇を抑制する仕組みのことです。
法人で複数台のEVを運用する場合、夕方の帰社時間に充電が集中する傾向にあり、一時的に大量の電力を消費してしまい、電気料金の基本料金上昇や設備増強といった問題が生じやすくなります。また、将来的にEVが普及したときに各地でそのような状況が発生すると電力インフラ側にも設備増強コストが発生してしまい、結果的に社会全体として電気料金が上昇してしまう恐れもあります。

充電制御によって充電のタイミングを変え、電力消費が多い時間帯の充電を避けたり、設備容量の上限値を超えないよう出力を抑えたりすることで、こうした課題を解決することができます。

以下の記事では、充電制御(スマート充電)の仕組みや導入メリット、制御方法の違いなどを詳しく解説しています。

充電制御(スマート充電)はOCPP充電器

充電制御(スマート充電)を実現する上で重要なのが、「OCPP(Open Charge Point Protocol)」に対応したEV充電器を選択することです。
OCPPは、EV充電器と制御システムを連携させるための国際標準通信プロトコルのであり、簡単に言えば、「異なるメーカー間でも充電器を統合管理できる共通言語」のようなものです。

OCPP対応充電器を導入することで、特定のメーカー・システムの組み合わせに依存することなく、設置環境に応じた充電器の選択肢が広がります。また通信障害の発生時でも、充電器が自律的に動作を継続できる設計になっているため、充電を継続できます。

OCPPの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

EV充電器の設置費用

EV充電器の設置費用は充電器のタイプによって異なります。

充電器のタイプ本体価格設置費用特長
普通充電器(可搬型)数千~数万円数十万円費用を抑えられる
普通充電器(据置型)30万円前後数十万円可搬型より充電時間を短縮できる
急速充電器200万円~400~500万円充電速度が早い

※価格は機種・仕様・設置条件により異なります

普通充電器の場合、可搬型(コンセントタイプ)の本体価格は数千円から数万円程度、据置型の本体価格は30万円ほどです。可搬型(コンセントタイプ)は安価な分、出力が小さいことと、大半は充電制御(スマート充電)機能に対応していません。据置型は高めですが、機能性の高さや長期的な利便性の面では据置型がおすすめといえます。
急速充電器は充電速度が早いことが最大の特長ですが、本体価格は200万円以上のものが一般的です。

本体価格以外に設置費用もかかります。普通充電器では数十万円程度ですが、急速充電器では高圧受電設備の導入が必要となる場合があり、本体価格に加え400~500万円ほどの設置費用かかります。

充電設備の初期費用は、複数台の充電器をまとめて導入することや補助金を活用することで、一定程度抑えることができます。

EV充電器設置工事の流れ

EV充電器の設置工事は、基本的に以下の流れに沿って進めていきます。

工事会社選定までの流れ

まずは導入予定のEVのバッテリー容量と充電受入能力などを確認し、EVの仕様に応じて適切な充電器を選定します。
次に、設置場所を確認し、配線ルートを検討した上で、電気設備の容量や契約電力を確認します。その際、充電制御(スマート充電)を前提とし、設備増強を回避する設計にすることがコストの抑制において最も重要なポイントであり、それを理解した事業者を選定することが必要です。これを考慮せずに工事会社に依頼すると、充電器の定格出力×台数分の設備増強が発生する恐れがあり、多大なコストが発生してしまいます。
その後、「第二種電気工事士」以上の資格を有する工事会社を選定する流れです。

工事会社の選定~設置完了までの流れ

工事会社を選定した後は、工事会社と打ち合わせを行い、設置場所や工事方法、ケーブルの長さ・配線などを充電器の設置前に確認します。
次に工事仕様を確定させ、詳細な見積りを取ります。見積り内容に問題がなければ、契約を締結して工事を申し込みます。
普通充電器の設置工事の場合、配線工事、充電器の設置工事、充電場所の整備、その他充電設備の利用環境整備といった工程が必要です。

以下の記事では、EVの充電器の設置費用や工事の流れ、初期費用を抑えるポイントを詳しく解説しています。

まとめ

EV充電器には、定期的な利用向けの「普通充電器」と短時間充電が可能な「急速充電器」があり、利用シーンに応じて選定する必要があります。
複数台のEVを導入する場合、設備増強や電気料金の増加といった課題が生じやすいため、電力ピークを抑える「充電制御(スマート充電)」を検討しましょう。
また、導入時には契約電力や設備容量の確認、工事会社選定、補助金活用なども含めた全体設計が重要です。

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FAQ

EV車両を使用していない時間帯に普通充電器でゆっくり充電する方法が効率的かつ経済的であるため、EVの台数分、普通充電器を用意するのが一般的です。ただ、1日の走行距離が短く、毎日充電せず週1回などで良いケースなどもあるため、「この車両は何曜日に充電する」といったローテーションを予め決めておくことで必ずしも台数分用意しなくても運用できるケースもあります。事前に車両の利用頻度とそれに見合った充電器の導入・運用計画を策定しておくことが重要です。

多くの場合、既存の駐車場で設置は可能ですが、車両の後方に設置スペースがない場合もあります。そういった場合は設置の仕方に工夫が必要となりますし、どうしても設置スペースがない場合は離れた場所に新たに設置スペースを確保しなければいけないケースもあります。そのため、設置前には現地調査を行い、設置場所や工事方法を確認することが重要です。

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