【社用車EV化】賃貸駐車場でもEV充電器を設置できる?注意点を解説
社用車EV化を実施する際には自社の駐車場にEV充電器を設置することが一般的ですが、賃貸の駐車場を利用している企業もあるかと思います。その場合、EV充電器をどのように設置すべきか悩む企業も少なくありません。
本記事では、賃貸駐車場にEV充電器を設置する方法や注意点、実際に充電器を設置した事例をご紹介します。
目次
社用車EV化を行いたいが駐車場が賃貸。EV充電器は設置できる?
結論として、賃貸の駐車場であってもEV充電器を設置することは可能です。
ただし、その場合は土地や建物の所有者(オーナー)の承諾を得ることが必須です。承諾が得られなければ設置できない可能性もあります。
充電器の設置には、電源工事・配線の敷設・壁や地面への固定などが伴うため、無断で施工することはできません。また、借主が4年や5年など長期に借りることを約束しないと、短期に解約された場合オーナー側にとって未利用リスクが高まるため、長期間の賃貸契約にコミットすることもポイントになります。
そのため、まずは管理会社やオーナーに相談し、設置場所(区画)や工事内容、管理主体、撤去時の原状回復方法などを事前に明確化しておく必要があります。
賃貸駐車場にEV充電器を設置する方法
賃貸駐車場にEV充電器を設置する際の主な流れは以下の通りです。
①設置希望区画の確認(借主)
充電器の設置が可能な区画かを確認します。場合によっては他の契約者の同意が必要となる場合があります。
②電源確保の方法を検討(貸主)
駐車場に電源がない場合は、近隣の建物や電柱から電力線を引き込む必要があります。
その際は、電力設備の容量や工事経路を事前に確認する必要があります。
既存の電源を活用する場合は、EV充電で使う電気をどのように精算するのか(計量器を設置して使用量で精算するのか定額制にするのかなど)を決める必要があります。
③見積書の取得と設置事業者の選定(貸主)
EV充電器の設置は、有資格の電気工事士による施工が義務付けられています。経験や実績のある設置業者に相談し、見積書を取得した上で費用や工期を比較しましょう。
④オーナーとの正式な合意(借主)
工事内容や費用負担、管理主体、撤去時の対応を明記した契約書や覚書をオーナーと締結すると、トラブルの防止につながります。
⑤工事の実施・設置完了(貸主)
施工後は、安全性の確認と動作試験を行い、設置事業者とオーナー双方で最終確認を行います。
賃貸駐車場でEV充電器を設置する際の注意点
賃貸駐車場でEV充電器を設置する際には、以下の点に配慮することで無用なトラブルや導入後の不具合などを避けられます。
オーナー・管理会社に相談する
冒頭で述べた通り、賃貸駐車場にEV充電器を設置する場合には管理会社やオーナーの許可が必須です。無断で設置することはトラブルの原因となるため、事前に相談し、設置の可否を確認しましょう。また、EV充電器はEVが使う前提で設置されるため、設置後短期で解約された場合、次の借主がEVではなくガソリン車を使用すると設置が無駄になってしまいます。そのため、借主が4年や5年など長期間に渡って使用することや解約時には撤去することなどをオーナーや管理会社に提案することもポイントとなります。このほか、設置場所や運用ルール、設置後の管理・メンテナンス体制などについて、事前にオーナーや管理会社と調整し、契約書に明記することが重要です。
配線工事やブレーカーの容量を確認する
EV充電器を設置する際には、駐車場の電力設備容量が十分に確保されている必要があります。分電盤(ブレーカーボックス)を確認し、契約容量や配線の許容電流を確認しましょう。
また、安全な配線経路があることも必須の条件です。特に、既存の駐車場では電源が近くにないことが多く、配線工事を行う場合には以下の点を専門業者と確認することが重要です。
・電源をどこから引き込むか(建物の分電盤・電柱・専用電源など)
・ブレーカーの容量が充電器の出力に対応しているか
容量不足のまま設置すると、停電や漏電のリスクがあるため、負荷計算や電力容量の診断を事前に実施する必要があります。
工事費・撤去費の負担区分を明確にする
EV充電器の設置には、機器本体の費用に加えて電気工事費や基礎工事費がかかります。また、契約終了時には撤去や原状回復が求められる場合もあります。
そのため、オーナー・管理会社と次の点を明確にしておきましょう。
・設置費用を誰(借主/オーナー)がどの割合で負担するか
・撤去費・原状回復費を誰がどの割合で負担するか
・設置した充電器を退去後に残置できるか
これらを事前に調整し、契約書に明記しておくことで、将来的なトラブルを回避できます。
火災保険・設備保証を確認する
EV充電器は電気設備であるため、万が一火災や漏電事故の原因となった場合、火災保険で補償されるか確認しておく必要があります。特に、電気的・機械的事故に対応した特約が付帯されているかをチェックしておきましょう。
また、設置する充電器が設備保証の対象となるかも重要です。保証内容や期間を確認し、故障時の対応を把握しておくと安心です。
賃貸駐車場にEV充電器を設置した事例
賃貸の月極駐車場にEV充電器を導入した事例として、NTT都市開発様の駐車場に設置したケースがあります。
オフィスビルの開発・賃貸事業を軸に事業を展開する総合不動産会社の同社では、同社の所有する「NTTクレド白島ビル」駐車場にEV普通充電器を設置しました。駐車場の借主は複数の企業で、EV充電器付き駐車場(充電利用料込み)として借りることができます。更にNTT都市開発様はエネットのスマート充電サービス「EnneEV®(エネーブ)」による充電の遠隔制御を活用することにより、電気料金の上昇を抑制しています。このように駐車場利用者側と運営側の双方にメリットのある取り組みとなっています。
既存建物にEV充電器を設置するにあたり、設備容量に余裕がないという事情があったものの、エネットのEnneEV®(エネーブ)を活用することでピーク時の需要を抑えることができ、効率的な設置を実現しています。
テナント入居者からも好評で、充電器の増設も進んでおり、トータルで40台ほどの充電器設置を見込んでいます。
このほかにも、コインパーキングやマンションの賃貸駐車場でも設置が進んでいます。
EV充電器選びから設置工事まで一括対応!「EnneEV」
ここまで解説したように、賃貸の駐車場でもEV充電器の設置は可能です。そのためには、事前に駐車場の管理会社・オーナーと設置条件や各種の費用負担区分などを交渉・調整し、契約書に明記することが重要となります。あわせて、貸主は配線工事やブレーカーの容量、火災保険の適用範囲なども確認しておく必要があります。
駐車場にEV充電器を設置する際には、充電器選びから設置工事までやるべきことが多岐にわたるため、信頼できる専門の事業者に依頼すると安心です。
エネットでは、法人向けにEV充電器設置の一括対応が可能なスマート充電サービス「EnneEV®(エネーブ)」を提供しており、オーナーとの交渉・調整も行います。
EV充電器の遠隔制御により電気料金の上昇を抑制し、導入コストの最小化を支援します。EV充電器の選定や調達、設置工事の手配、そして運用開始後のサポートまでワンストップで対応可能です。
EnneEV®(エネーブ)の詳細は下記のページをご覧ください。
スマート充電サービス『EnneEV(エネーブ)』サービス資料
スマート充電サービス『EnneEV(エネーブ)』のサービス資料です。充電制御により充電電力を 契約電力内にコントロールすることで、電気料金の上昇を抑制。企業の社用車EV導入をご支援します。
